オルフェって吟遊詩人のことなんですって。

あ、皆さんこんにちは。倉田雅弘です。
誰だ、お前はと思われる方がほとんどでしょうから、自己紹介させていただきますと、スタジオオルフェの平社員、倉田英之の弟です。
普段はアニメや漫画関係の記事を書いたり、編集したりしているのですが、ノホホンと何の展望もなく日々を無駄に過ごしているうちに仕事がなくなり、兄に「最近は出版不況で厳しくてねえ。アベノミクスだなんだかんだって言ってもなぁ」と、中年特有の無駄にスケールをデカくして自分の責任を曖昧にする愚痴をこぼし続けていたら、その言葉がオルフェの取締役の黒田さんの耳に届いたらしく、「どれ、これで明るくなったろう」と百円札を燃やして料亭の玄関を照らした大正時代の大富豪よろしく、こんなコラムのコーナーをいただいたのでした。ありがたや、ありがたや。

しかし考えてみたら私の人生、要所要所というかヤバ気ヤバ気な時に決まって、スタジオオルフェさんに助けてもらってます。
新卒で入った会社を考えもなしに退職し、無職になってしまった時は、まだ何の編集経験もなかったのにアルバイトとして雇ってもらったり。
契約社員として働いていた会社を無計画に飛び出して、フリーの編集兼ライターになった時には、取引先のビデオメーカーを紹介してもらって、そこからDVDのブックレットのお仕事をいただいたり。ライター仕事が行き詰った時は、某社のライトノベル編集部に口利きをしてもらって、最終的には兄の担当になってしまったり。
本コーナーでは、そんな付かず離れず、すねをかじっては逃げ去るヒットアンドウエイな関係を築いてきた私が知っているスタジオオルフェに関する四方山話を、その時折の作品の紹介を交えて書いていければと思います。
これをきっかけに既存の作品のDVDが売れたり、バンダイチャンネルで観返す人が出れば、スタジオオルフェにロイヤルティが入り、私の原稿料もアップするというウインウインなビジネススキーム。

では、まず最初に紹介する作品は……、1996年発売の『ごきんじょ冒険隊』って、スーパーファミコンのゲームじゃ、中古屋さん以外誰も得しませんな。
しかしこの作品、代表取締役の千葉さんによれば、スタジオオルフェの初期ビッグプロジェクトのひとつで、個人的にも印象深い作品なのです。

(以下、次号に続く)

 

 

2016年06月03日